映画「きっと、うまくいく」レビュー:過剰な伏線回収は逆効果

2020年3月9日

 アマプラで非常に評価の高いインド映画「きっと、うまくいく(3 idiots)」を観た感想を記事にします。

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 現在(19/05/06)のアマプラでの星は4.8とめーちゃめちゃ高いですね!

 個人的に付けた点数は68点で、良くもなく悪くもない、中間あたりの点数です。

 世間との評価にズレを感じたので、記事にしようと思い立ちました! ではどうぞ!

簡単なあらすじ

 インドの難関大学に入った「3バカ」がメインのお話で、インドの教育問題に一石を投じるメッセージ性があります。

 大学時代編と10年後のそれぞれを描いた2部編成になっており、2つは同時進行で代わる代わる描かれます。

感想

 おもしろかったです!
 特にラストシーンのロケーションの美しさは気持ちよかったですねー。

 とは言え長い! この映画、171分とかなり長尺で、正直疲れます。

 展開的にも、中盤の事件あたりからは失速感があり、久々に映画を観てて眠くなりました。

 終盤は怒濤の伏線回収に圧倒されましたが、見終わると、ちょっとやり過ぎでは?と感じましたねー。

 こっから先は、その違和感について触れたいと思います。

過剰な伏線回収は逆効果!

 この映画、とにかく伏線回収が過剰です。
 私は少し、ウンザリしてしまいました……。

 本来、気持ちよくなれるはずの伏線回収が、過剰だとなぜ逆効果になると感じたのか、考えてみました。

伏線回収の効果

 伏線回収とは、ストーリー展開に納得感を持たせることができる手法です。

 物語が急転しても、その原因(伏線)が事前に示されていれば、「あぁ、なるほど」と納得感をもって物語を追うことができます。

 逆に、原因が示されず、伏線も張られていない場合、「あぁ、これは作者の“ご都合”なのだな」となり、没入感が損なわれます。

ご都合主義的展開は、なぜいけないのか?

 ここでは、略して“ご都合展開”とします。

 物語を楽しむのに必要なのは説得力、納得感ですよね。
 物語展開からそれらが損なわれていると、物語進行が不自然になり、同時に作者への不信感に繋がります。

 物語の神様である作者が、都合良く手を加えているのに気づいてしまうと興ざめです。

「この作者はダメだ」と思われたらお終いですよね。
 作品にとって、最大の損失です。

結論:過剰な伏線回収は逆効果!のはず……

 伏線回収のメリットである、ストーリー展開への納得感の付与。
 ですが、これをあまりに連発すると、物語進行の自然さが失われ「神様の手」の介在が顕わになります。

 これってまさしく“ご都合展開”ですよね。

 つまり、過剰な伏線回収は逆効果!になるはずなのですが……。

でも評価は高い【仮説:誤認が発生しているのでは?】

 ここで一つ仮説を立てます。

 それは、『伏線回収がある映画にはプラスの誤認が働く』というものです。

 伏線回収によっておもしろさのグレードが上がるのは当然のことですが、本末転倒となる使い方でも評価を上げるのは怪しいな、と私は疑っております。

最後に:プラスの誤認

 他にも『泣ける映画!』や『ラストにどんでん返し!』などもプラスの誤認が働いていると疑っていますが、これは別で記事にするかもですー!

 では「きっと、うまくいく」のレビュー記事、ここまで!

 たけちのでしたー!